D忘れビト -killed ghost-







      彼彼女 その形容はふさわしくない
      ふさわしいのはむしろ"それ"
      語られるのは二度殺された
      亡霊の物語








      "それ"は当てもなく此処にいた
      声を掛けても誰も答えず 触れることもできない
      ずっと独りのまま ただ孤独に
      此処にいるだけ








      "それ"は精神的に追い詰められていた
      感じるのは苦痛苦痛苦痛
      今すぐ叫びだして走りたい
      それをとどめたのは理性とプライド
      人知れず涙が溢れた








      翌日"それ"は塔の天辺から飛び降りた
      "それ"が死んだことに
      町の人々は歓喜した
      そして再び忘れビトイケニエの幕が開く