リリティアの像



 これは昔の物語り。




 ある所に二人の男と一人の女がいました。

 男達の名前はヴェーダ、ユリウス、女の名前はリリティアといいました。

 ヴェーダもユリウスも、幼い頃から共に育ってきたリリティアのことが大好きでした。

 そして二人はリリティアに問いかけました。

 一番好きなのはどちらだ、と。

 リリティアは悲しい顔をするばかりで何も答えませんでした。

 翌日。

 意気揚々でリリティアの家に向かった二人が見たものは、主が消えた部屋と一枚の書置きでした。

 そこには『私はどちらも選べません。ごめんなさい』 とありました。

 リリティアは二人が自分のことで争ったりするのを嫌っていました。

 だからこんな風に、突然出て行ったのでしょう。

 二人は後悔しました。

 あんなことを聞いたことを。

 けれど、二人が仲直りしても、祈っても、謝っても、リリティアが帰ってくることはありませんでした。









 そうして、月日は流れ……







 ある日、二人はとある噂を聞きました。

 金髪の凄腕の女剣士が、村を守るために、魔物の洞窟へ行ったというのです。

 リリティアは村の誰よりも、強い剣術を持っていました。

 大柄の男もかなわない、すばらしい剣術を。

 さらに、美しい金色の髪の持ち主でもありました。

 二人はリリティアに違いないと思い、早速その村に向かいました。

 しかし、女剣士は未だその洞窟から戻ってきていないといいます。

 二人は嫌な予感がしました。









 洞窟の中のあらゆる場所を探しました。

 しかし、どこにもリリティアはいません。

 他に探していない場所は魔物がいる場所だけでした。

 頭の中を嫌な予感が駆け巡ります。

 二人は己の信じている神に、リリティアの無事を祈りました。

 そして、二人は意を決して進みました。

 悪戦苦闘しながらも、何とか魔物を倒した二人は金色に輝く宝の中でリリティアを見つけました。

 二人は『リリティア!』と叫んで駆け寄りました。

 しかし返事はありません。

 リリティアは、一振りの剣を掲げた姿で石となっていたのでした。







 その後二人は、聖なる力が集まる『聖教会』にリリティアの像を持っていきました。

 いつか、偉大な力を持つ者がリリティアの石化をといてくれるように。







「そんな由来があったんですか……」

 ローザリーは呟いて目の前の像を見上げた。

 美しい女性の像―――そう、リリティアの像だ。

「きっと、バジリスクの悪魔だったのよ。教皇ファウストの力でも解けない魔法だから、一生このままだと思う」

「そんな……!」

 フィアはふっと笑うと、

「でも……そう、いつか、この魔法が解けるくらい強い力の持ち主が現れると思う。かけることができて解けることのできない魔法なんて、命を賭けない限りできないもの」

「そうだといいです」

 ローザリーには、眩い光に照らされているリリティアの像が、微笑んでいるように思えた。









 The end.






*あとがき

 初のSSです。これは○○○で書いたものを加筆修正しました。

 →わかる人はわかるはず(笑)

 本当は本編を載せる気なんてなかったんですけど、

 載せてしまいました。